99はro roi za'u re'u ji'aを自力で構文解析するようです
この記事はロジバン Advent Calendar 2016 - Adventarの15日目の記事です。
※以下は、事実を基に再構成した物語です。物語の都合上、またはログ不存在などの理由で、全てが事実というわけではありません。(特に時刻)
※以下、ロジバンの専門用語が数多く登場します。ロジバン入門者は先にはじめてのロジバン 第2版を読んでください。
2016/12/15 14:22
99「昨日は、結局1行訳すのに1日掛かってしまった」
99「明らかにTwitterが原因なので、今回はオフラインで作業していこう」
99「というか、過去に30分でやった部分ぐらいさっさとやってこうよという」
ni'o doi zei bacru bu'u da tedi'o lo menli
.i roroi cinmo dansu pe'a senva co gleki .au
.i ge dunku du'emei sei va'i ba'onai kancu
gi ku'i ju'o penmi .ui do lo zu'i bancu
第2話: やっと4行
2016/12/15 14:24
99「さて、2行目入りましょう」
99「確か{roroi}が頻度のselbritcita、{pe'a}と{.au}が心態詞」
99「で、メインとなるのがtanruである{cinmo dansu senva co gleki}」
99「selbritcitaは闇なのでまずtanruの方をやっていこう」
99「{dansu}と{gleki}、そして{co}がはじロジ登場済み」
- cinmo
- x1 は x2 (感情)を x3 について覚える; x1 は感情的/ムードに浸っている
- senva
- x1 は x2 (事)を夢見る; x2 は夢想/幻想
99「んで{dansu}には比喩の心態詞{pe'a}が掛かっている」
- pe'a
- 比喩 : 左の語句が比喩的であることを示す
99「よってこのtanruを直訳すると」
『嬉しい[感情を覚える/踊る(比喩)/夢見る]』
99「さてあとはtanruをどう意訳するか」
99「まずは{cinmo dansu pe'a}。まあ『心が躍る』って日本語があるし使おう」
『嬉しい[心が躍る/夢見る]』
99「『心が躍る』を辞書で引く限り、喜びの感情を表すようだし、{gleki}は外すか」
『心が躍るような夢を見る』
2016/12/15 14:48
99「tanruが訳せたので残りをやろう。{.au}は25章に載ってる。『~したい』ぐらいでいいだろう」
『心が躍るような夢を見たい』
2016/12/15 20:16
99「起きた。やっていこう」
99「残るは{roroi}。頻度のselbritcitaだったのは覚えているが、selbritcitaって総じて闇という風潮があるので頑張っていこう。」
99「とりあえず、おかゆプロのslabu gerna の selbritcita まわりと複合タグでも読むか」
『このあたり、ロジバンPEGで嫌いなところベスト10くらいには入りますね。』
99「うわぁやりたくない」
99「とか言っててもしょうがないのでやろう。幸い今回は複合していない」
2016/12/15 20:49
99「そもそも、確か{roi}もはじロジ未登場なはずなので、辞書引こう」
- roi
- 頻度テンス。「~回にわたって」。数量詞の右に付く。
99「だからといって{roroi}を『全て回にわたって』と訳すと非文なので、意訳が求められる。」
99「英語で辞書を引くと載ってるな。日本語だと出ないけど」
- roroi
- always; objectively quantified tense; defaults as time tense.
99「{roroi}で『常に』とでも訳せばいいな。」
2016/12/15 21:06
99「ということで、この行の翻訳はこんな感じ」
『心が躍るような夢を常に見たい』
99「さて次の行だ、今回は進捗がいいぞ」
2016/12/15 21:29
99「さて3行目と4行目だ」
.i ge dunku du'emei sei va'i ba'onai kancu
gi ku'i ju'o penmi .ui do lo zu'i bancu
99「ge .. giが2つの…『命題』、でいいのかな、を結んでいると。」
99「前置接続詞は何も考えなくとも範囲が分かるので素晴らしい」
99「まずは{dunku du'emei sei va'i ba'onai kancu}」
99「すごい、知ってる単語が一つもない」
99「と思ったが{ba'o}と{nai}は知ってる」
99「{ba'o}に{nai}ってくっつくのかな。とりあえずさっきのselbritcitaの記事読むか」
2016/12/15 21:44
99「えーっと{ba'o}のselma'oは……ZAhOか。」
99「どれどれ」
99「なるほどー」
2016/12/15 22:02
99「文法上許されるということは分かったが、{ba'onai}の意味論は分からんな」
99「一応CLL見るか。載ってた記憶がないけど」
- CLL 10.18
- Any bridi which involves tenses of selma'o PU, FAhA, or ZAhO can be contradicted by a -nai suffixed to the tense cmavo.
- PU, FAhA, ZAhOの時制が関わるbridiは、時制の機能語にnaiを後続させることでcontradictory negationにできる
99「contradictory negationは文全体が偽であることの主張、だったかな」
CLL "As a contradictory negation, Example 10.129 implies that the bridi as a whole is false without saying anything about what is true."
99「なるほど。ではそろそろ本文に戻ろう」
2016/12/15 22:29
99「とりあえず単語引こうか。まずはgismu」
- dunku
- x1 は x2 (事)について苦悩/苦悶する
- kancu
- x1 は x2 (集合)について x3 (数量)を x4 (単位)で数える
99「次にcmavo」
- du'e
- 過多 : 数量詞;
- sei
- メタ言語 bridi : 本来の命題の構文から外れて挿入する bridi の開始点を示す
- va'i
- 換言;「言い換えれば」「つまり」
99「meiは、はじロジでやったはずだがあまり覚えてないな。21章から引用」
- mei
- MOI類;頭に数詞を取り込んで、「x1 は [数]個だ」というPSの述なれ語になる
99「あ、そうか、述なれ語なのか。ということはtanruか。4ヶ月前にやったときは気づかなかったな」
99「ということで{dunku du'emei}は『苦悩/過多-個』を意訳して『苦悩が多すぎる』とでもするか」
2016/12/15 22:55
99「あとは{sei va'i ba'onai kancu}、これはそのまま『つまり、数え終わらない』とでもすればよい」
99「ということで{dunku du'emei sei va'i ba'onai kancu}をまとめると、」
『苦悩が多すぎる―つまり、数え終わらない―』
99「よし、3行目もほぼ終わった。次にいこう」
2016/12/15 23:02
.i ge dunku du'emei sei va'i ba'onai kancu
gi ku'i ju'o penmi .ui do lo zu'i bancu
99「{ku'i}{ju'o}{.ui}が心態詞。」
- ku'i
- しかし/だが/ところが/それでも
- ju'o
- 「確かに」「まちがいなく」
99「{penmi}のx2に{do}、x3に{lo zu'i bancu}だから、」
『しかし確かにあなたにlo zu'i bancuで会う』
2016/12/15 23:17
99「えっと、{lo zu'i bancu}ってなんだろう」
- zu'i
- 典型 sumti : 代詞(sumti)「例のアレ」
- bancu
- x1 は x2 (境界/限度)を x3 (照合点)について x4 (性質/数量)だけ越している/超えている;境界の向こう側に位置
99「なるほど、例のLE bare-sumti selbriの構文か。まだはじロジに載ってないアレ。と思ったが第1版には載ってるな」
99「とりあえずこれで翻訳はできる」
2016/12/15 23:34
99「あれ、lo ko'a brodaってlo broda ku pe ko'aだっけ lo broda pe ko'a kuだっけ」
おかゆプロ「たしか後者だったような」
99「ki'e」
2016/12/15 23:39
99「ということで翻訳」
『しかし、例のアレに関する向こうにあるzo'eで確かにあなたに会う』
99「このzo'eは『場所』だろうな。ついでに言い換え」
『しかし、向こうの例の場所で確かにあなたに会う』
99「よく分からない日本語になったがまあいいや」
2016/12/15 23:41
99「まとめよう」
『心のなかのとある場所で呼びかける』
『心が躍るような夢を常に見たい』
『苦悩が多すぎる―つまり、数え終わらない―けれど、向こうの例の場所で確かにあなたに会う』
99「ふう、ここまでやってやっと4行か」
99「まあ気長にやっていきましょう」
ro roi za'u re'uについて